花隈公園脇の坂道を登ったところに、そっと現れるエントランス。
この日は夕方に撮影したのでまだ明るい。
神戸に来て、最初に訪れたバー。
東京で知り合った女性の飲み友達が、自分とほぼ同時期に神戸に移ってきた。
その人が紹介してくれたのが「SAVOY hommage(サヴォイ オマージュ)」。
彼女は神戸が故郷で、以前に地元で働いていたときに通っていたとのこと。
神戸の名店「サヴォイ」の系譜。
初めてお店に入った時に、その雰囲気にうわー…っと引き込まれ、
同時にホッとする温かな空気を感じた。
それ以来、神戸で一番“神戸らしいバー”はどこ?と聞かれた時には、
迷わずここを紹介するようにしている。
自分が生きてきた時代より、はるか昔にタイムスリップしたかのような、
イメージの中にしか存在しないような懐かしい内装。
沈没した豪華客船、タイタニック号の内装をイメージしたらしい(ホントかな?)。
ほの暗い店内とウッディでダークカラーな調度、
気の利いた小物のチョイスはオーナー・バーテンダー森崎さんのセンス。
港湾エリアに近い旧居留地などに代表される、
神戸のレトロモダンな佇まいを今に写している。
バックバーのお酒もなかなか憎い揃えになっている。
時々、モルトなどのウイスキーやウォッカなんかの珍しいオールドボトルを、
さりげなく仕入れていたりする。
そんなボトルを勧められたら、飲まない訳にはいかない。
そしてカウンターの右の棚に並ぶのは、超・オールドボトルたち。
人生で1度ぐらい、何か間違って大儲けしてしまった時に開けてみたい。
きっとそんな日はこないだろうけど。
森崎さんは神戸を代表する腕利きのバーテンダーで
(追記:2016年2月のコンペで、念願の関西ナンバーワンになった)
オリジナルカクテルは特に香りにこだわっているみたい。
オリジナルのリキュールなどを使った、複雑で凝ったカクテルも多く、
いざ目の前で作ってもらうと驚く。そして飲んで納得。
普段は冗談ばかりで軽いノリの人だけど、
仕事となると途端にキッチリ仕上げるあたりがさすが。
ひとりでぼんやり飲むのも良いし、誰かとじっくり話し込むのも良いし、
もちろん彼女とデートで一杯というのも良い。
どんなシーンにもしっくり馴染む、神戸のオーセンティック・バー。
冗談と本気の大きい振り幅の間を行ったり来たりしながら、
マスターが作る素晴らしいカクテル。
気取っているだけじゃなく、
ポカンと気の抜けた部分が居心地の良さを作っている。
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