昼からひとりで飲むのに最高のお店。
神戸に来て驚いたことのひとつに、串カツ屋が多いというのがある。
そんなにこっちの人は串カツが好きなのか?と越してきた当時は疑問に思っていた。
東京は焼き鳥屋はやたらとあったけど、
串カツ屋なんてほとんど無かった気がする。
現に、自分は人生で初めて串カツを食べたのは、神戸に越してきてから。
自分が東京を離れるのと入れ違いぐらいの時期に、
東京にも串カツ屋チェーンが増えたみたいだけど。
ソース2度浸け禁止とか、食べたことがなくても
知識としてそんなことは知っていたけど、
最初は串カツってものとの距離感を計れずにいた。
…
今の住まいの近くに水道筋商店街という商店街がある。
阿佐ヶ谷におけるパール商店街のような感じ。
水道筋は1本裏手に市場もあるので、その辺りは違うけど。
その商店街を進み、真ん中あたりでちょっと折れたところに、
「一燈園(いっとうえん)」がある。
お年を召したオヤジさんとオネエさん、
その娘さんらしき女性と3人でやっているのかな。
いかにも昔からある店といった風情で、
思わずのれんをくぐってみたくなる店構え。
ひとりで昼から飲んでいても全然気負わなくて良い。
ここに来るのは決まって日曜日。
午前にバスケをして、商店街に買い物に行きがてら、
気が向いたときにここに立ち寄る。
他にお客さんが誰もいないこともあるし、
摩耶山あたりをハイキングしてきた山ガール(ただし妙齢)3人組とか、
近所のくたびれたカップルとか、その時々でいろいろ。
串はどれも安く、大体5〜6本を頼む。ジャガイモとかタコとかイワシとか。
串カツにはソースが既につけられた状態で、皿にはキャベツが敷かれている。
ビールはキリンの瓶を1本。
テレビではプロ野球中継をやっていたり、
ちょっと時間が遅くなると相撲中継をやっていたり。
それをぼんやりと見ながらビール、串カツ、ビールと繰り返す。
背中はシート一枚隔てて道路なので、その開放感も心地良い。
ビールを飲み干し、串カツを食べ終えたらそこで切り上げる。
…
串カツとの距離感は、ここ2年ぐらいで何となく掴めてきた。
ちょっと気になった時に気楽にお店に入り、
ガッツリ腰を据えずにサッと食べて店を出る感じ。
金額的にも、そんなお手軽感。
おやつやスナックまでは軽くないけど、食事までは重くない。
焼き鳥だったら、串カツより皆しっかり食べてしっかり飲む。その違い。
神戸の人は、そのどっちつかずで微妙な位置に
串カツをわざわざ据えているように見える。
玉子焼(明石焼)も、存在として似ている気がする。
絶対的に美味しいというものではないけど、
時々、ソース味をふと思い出して食べたくなる。
この渋さ。外の気配を感じながら飲むのが実に良い気分。
夜の外観。ここはよほど酒修行した人じゃないと、
女性ひとりでは入れないだろう。
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